ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.93

はしご酒(2軒目) その壱

「アクイナキ ムシンケイ」①

 「悪意なき無神経、悪意ある有神経より、ウンとマシやと思うんやけどな~」

 さすが、Aくんのお友だち、この「唐突」感、Aくん同様、かなりパワフルだ。

 おじさん二人が暖簾をくぐったその店は、ソコからタラタラと歩いて10分ぐらいのカウンターだけの小さな居酒屋である。一人で切り盛りされている店主は、もの静かな若者(とはいっても、30代後半といったところだろうか)で、居心地は悪くない(とはいっても、過去に2度ほど伺った程度ではあるけれども)。

 AくんのOosacan(大阪人)なお友だち(あまりに長ったらしいので「O(オー)くん」と呼ぶことにしよう)、Oくんは、席に着くなり瓶ビールを注文した。

 まずは再会を祝してビールで乾杯、お通しの小魚の佃煮もいい塩梅だ。で、とりあえず「お元気ですか」みたいなことを言おうかな、と思った矢先の、そのパワフルな「唐突」感であった、のである。(つづく)