水菓子 その四
「マチ ガ ツブレル」②
ネットの強みである「ボーダーレス」、「グローバル」、たしかに、いかなる地方からでも世界中に発信できる。疲弊する地方の救世主となる、そんな期待もあるには、ある。でも、目に見えないネット空間にお金が落ちていく間に、皮肉にも目の前にある商店街は、終焉に向かって加速、そして、数十年後、いや数年後にも、街がつぶれる、街が消える、かもしれない、そんな危惧もまた、全くもって払拭できてはいない。ということは、そこで育まれてきた「文化」もまた消える、かもしれない、ということだ。となると、ぼんやりと見過ごすわけにはいかない。文化は「命」、その命を、そう易々と無くさすわけにはいかないからだ。しかし、見過ごすわけにはいかない、無くさすわけにはいかない、というこの思いを、どうすればシモジモじゃないエライ人たちに伝えることができるのだろう、と、一気に捲し立てた。
そうか~、街もまた「文化」、文化は「命」、その命を無くしてしまえば街はつぶれる、消えてしまう、そういうことなのだな~。ホントに、ホントに、とってもいい話なのに、そのいい話の合間の、吉野本葛のくずきりをススるAくんの「ズルズル」が、結局、この問題も「ズルズル」とそのままに、というそんな重たい未来を暗示しているかのように聞こえてしまい、気になって、気になって、仕方がない、私なのであった。(つづく)