ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.58

止め肴 その八

「ソウゾウリョク ガ ナイヒト ハ ソウゾウシイ」

 想像力は大事(ダイジ)、想像力がないと大事(オオゴト)。ダイジとオオゴト、読み方違いで大違いなのである。

 そんな想像力であるが、Aくんは、ことのほかその重要性を訴え続けている。そして、更にAくんは、「想像力のないシモジモじゃないエライ人たちに限って、コトが起こったときにヤタラと騒々しい」、と、少々キツイ調子で付け加える。

 「ソウゾウリョク」がないから「ソウゾウシイ」?

 ん~、・・・なるほど。

 たしかに、高感度のアンテナをフル稼働し、前もって考えられるコトは全て考える、という姿勢で臨んでいれば、そう簡単にはバタバタすることなどない、かもしれない。ソコは私でも理解できる。とはいうものの、Aくんには申し訳ないけれど、その姿勢、ドコからドウ見ても容易いとは、到底思えない。ナゼなら、いつ起こるかわからないような、そんなコトのアレやコレやを、日々考えて過ごすことなど、そうそうできることではないからである。

 しかしながら、そんな呑気な時代ではないような気がしているのもまた事実。つまり、もう、すでに、「そうそうできることではないから」などと言っているような場合ではないのだろう。

 そういえば、以前は、まだ、「想定外」という言い訳が、ある程度社会的地位を保っていて、時折、耳にすることもあった。が、その後、そうした想定外が、あまりにもそこかしこであったりしたものだから、さすがに、もう、ほとんど耳にしなくなった。

 そう、そうなのである。 

 時代は、もはや、想像力のないモジモじゃないエライ人たちが、ノホホンとイニシアチブを取れるような、そんな時代ではない。

 イニシアチブとは想像力。想像力なきイニシアチブなど、あり得るわけがない。と、いうことなのだろう。(つづく)