先付 その弐
「ジューバコスミオサン」
そんな、アホがアホ呼ぶアホアホワールドの、筋金入りの事務方の叩き上げであるらしい「ジューバコスミオサン」は、重箱の隅をネグラにされている人のことではなくて、いつも重箱の隅が気になって気になって仕方がない人のことだ。さらに罪なのは、自分の重箱ではなくて、他人の重箱の隅のことばかりが気になってしまう、というから、かなりタチが悪い。
ソコですか、ソコをツツいてきますか、と、おもわず愚痴りたくなるぐらい、どうでもいいような小さきコトを、電子顕微鏡でウルトラ拡大してツツいてみせる鬱陶(ウットウ)しさは、たしかに、相当なモノではある。
もちろん、Aくんは、この「ジューバコスミオサン」が好きじゃない。
そもそもAくんは、重箱から隅をなくしたいとさえ考えている。
もし、重箱から隅がなくなったとしたら、「ジューバコスミオサン」はいったい、ナニをツツクのだろう。Aくんは、そのことがとても気になっていたようである。(つづく)