2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.520

はしご酒(4軒目) その百と百と六十一 「マスマス ミミ ヲ スマス」② 己の意見は述べる。 相手の意見も、とりあえずは聞く。 でも、ひょっとすると、聞いているように見えるだけで、実は、耳の中に、高性能でハイパワーなフィルターが内蔵されていて、ほとんど…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.519

はしご酒(4軒目) その百と百と六十 「マスマス ミミ ヲ スマス」① 随分と昔、姉が自転車事故を起こしたことがある。 坂道を激走して転倒した、と、連絡を受けた私は、慌ただしく病院に駆け付ける。腕か肋(アバラ)かドコかを骨折したと聞いていたが、幸い、す…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.518

はしご酒(4軒目) その百と百と五十九 「セイギ ノ ショウコインメツ」 世の中には、「正義の証拠隠滅」というものがある、とAくん。 大切なナニかを守るための、大切な、正義の証拠隠滅なのだ、という。 とはいうものの、このウルトラ特権、シモジモであるエラ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.517

はしご酒(4軒目) その百と百と五十八 「アブラカタブラ」 「アブラカタブラ~」 またまた突然にAくんが、ナニかを思い出したのか、ナニかに取り憑かれたのか、怪しげな呪文を唱え始める。 「な、なんですか、それ」 「番組名は忘れたけれど、大昔、TVでやっていた…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.516

はしご酒(4軒目) その百と百と五十七 「コンナワタシガ スキ!」 自分と自分との関係、これが、なかなか侮(アナド)れない。 自分と他者、もしくは、世間、この関係もまた、もちろん、そう易々と侮ることなどできないのだけれど、頼みの綱の「自分」との関係まで…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.515

はしご酒(4軒目) その百と百と五十六 「ハジメテ ノ オートクチュール」 周囲には、「♪そこに私はいません~眠ってなんかいません~」などと、偉そうに宣っているわりには、墓参りの際に、ナニかと思い出したりしながら手を合わせている、とAくん。 そんな感じ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.514

はしご酒(4軒目) その百と百と五十五 「シャカイ ノ ムジュン パラダイス」② 「不気味に、パックリと口を開けた落とし穴と同じぐらい深い、その、罪の深さとは、いったい、なんなのですか」、と私。 するとAくん、私の方に顔を向けると、静かに、ユルリと、そ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.513

はしご酒(4軒目) その百と百と五十四 「シャカイ ノ ムジュン パラダイス」① 世の中が、トンでもないことに見舞われたとき、どうしても、様々なコトとコトとの整合性が曖昧になり、そこかしこで矛盾が芽生えがちだ、とAくん。 言い換えると、そんな矛盾や整…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.512

はしご酒(4軒目) その百と百と五十三 「オテガル ハ ダレニトッテモ オテガル シンドローム」③ 大きめの、真ん丸な氷が鎮座する、底抜けに美しい江戸切子のグラスに、女将さんが注ぎ入れてくれたソレは、その香りも次のステージ一歩手前のような、そんな濃厚…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.511

はしご酒(4軒目) その百と百と五十二 「オテガル ハ ダレニトッテモ オテガル シンドローム」② 「あくまでも想像だけれど、その頃に、いわゆる、規制緩和、ってヤツが、ドッカ~ンと行われたのかもしれないな」 ナンらかの理由があって、ソコにあった規制が、ナ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.510

はしご酒(4軒目) その百と百と五十一 「オテガル ハ ダレニトッテモ オテガル シンドローム」① ナニを思ったのか、Aくん、突然、クレジットカードの話をし始める。 若いときに、ほんの数回、クレジットの返済が滞ったことがある。元来いい加減な性格ゆえ、口…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.509

はしご酒(4軒目) その百と百と五十 「ニュースバラエティバングミ ノ コウザイ」② 「でもね、そうそういいことばかりじゃない、というところもまた、迷える現代社会の落とし穴、な、わけよ」、とAくん。 「落とし穴、ですか」、と私。 「そう。この落とし穴が、な…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.508

はしご酒(4軒目) その百と百と四十九 「ニュースバラエティバングミ ノ コウザイ」① 世の中の出来事などに、いちいち構ってなどいられない。そんなことは、自分には関係ないし、知ったからって、どうなるものでもないし、そもそも興味もないし、みたいな、そ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.507

はしご酒(4軒目) その百と百と四十八 「ゲイジュツ カクサ サベツ!」 思えばAくんは、ヒトではなくコトだろ、と、何年も前から訴え続けている。そうでなければ、この国も、この星も、場合によっては、コトによっては、大切な文化を、芸術を、失うことにもな…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.506

はしご酒(4軒目) その百と百と四十七 「ワタシノヨウナ フツウノニンゲンデモ ドリョクヲスレバ」② 見えないなりに、少し気になる点について、Aくんに問うてみる。 「口に出さない、ということもまた、一歩間違えると、罪深いことになりはしませんか」 すると…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.505

はしご酒(4軒目) その百と百と四十六 「ワタシノヨウナ フツウノニンゲンデモ ドリョクヲスレバ」① なんとなくTVを見ていたときに、それとなく耳に入ってきた言葉がある、とAくん。 それが、とある、どこかの、小学生の言葉なのであれば、頑張ったんだね、で…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.504

はしご酒(4軒目) その百と百と四十五 「コドモタチ ハ コノホシ ノ ミライ」④ 世界中で目撃された空飛ぶ円盤のデータの徹底分析。 各地で発見された空飛ぶ円盤の着陸の痕跡を巡る旅行記。 まさかとは思うが、宇宙人との交遊記。 如何せん、思い付くドレもコレ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.503

はしご酒(4軒目) その百と百と四十四 「コドモタチ ハ コノホシ ノ ミライ」③ 黙りこくったAくんを横目に見ながら、私は、小学生であったあの頃に、またまたタイムスリップしてみせる。 おっ、あの頃の私の部屋。なんとも贅沢な話だが、狭いながらもマイルー…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.502

はしご酒(4軒目) その百と百と四十三 「コドモタチ ハ コノホシ ノ ミライ」② そう、ズズズズズンッと重く憤るAくん、気持ちを切り替えるためだろうか、おもむろに、お猪口に残る酒をキュッと呑み干す。 そして、気分一新、グググググッと前向きに語り始める…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.501

はしご酒(4軒目) その百と百と四十二 「コドモタチ ハ コノホシ ノ ミライ」① 子どもたちの、学ぼうとする気持ち、学びたいと思う心、が、トンでもないことによって阻害される、摘み取られる、などということは、絶対にあってはいけないことだし、紛れもなく…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.500

はしご酒(4軒目) その百と百と四十一 「ビトク ノ オトシアナ」② 「コトの検証も真相の究明も、その目的は、個人に対する糾弾ではない。重要なのは、そのヒトではなく、そのコトが、どうであったのか、ソコに問題はなかったのか、仮に、あったとしたならば、そ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.499

はしご酒(4軒目) その百と百と四十 「ビトク ノ オトシアナ」① 僕が、けっこう使う言葉の一つに、「美徳(ビトク)」がある、とAくん。 たぶん、悪い意味で使ったことはない、と宣う。 ただ、このところ、どうもその美徳に、ナニやらモヤのようなものがかかり始…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.498

はしご酒(4軒目) その百と百と三十九 「ダレモガ ニノアシヲフム」② 「旨いものは旨い。いったん、その旨さを知ってしまうと、そう簡単にはソコから足を洗うことなどできやしない。たとえ、その旨さの背後に隠れていた毒に、気付いたとしてもだ」 「毒に気付いて…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.497

はしご酒(4軒目) その百と百と三十八 「ダレモガ ニノアシヲフム」① 誰もが二の足を踏む。 ソコに、酒落では済まされないほどの甚大なリスクが、へばり付いているからだろう。だから、二の足を踏む。それぐらいのことは、私でも察しがつく。 その、誰もが二の…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.496

はしご酒(4軒目) その百と百と三十七 「ビバ! ショクニンダマシイ」 私たちのような、並みの一般ピーポーでは、到底、歯が立たない、そんな、職人魂みなぎる匠の領域というものがある。 この領域に、私もAくんも、憧れもすれば嫉妬もする。それほど突出した…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.495

はしご酒(4軒目) その百と百と三十六 「フトクテ ホソクテナガイ オツキアイ」 細くて長いお付き合い、こそが、太いのだ、と、唐突に、意味不明に、語り出すAくん。 「細くて太いのですか」 「そう。細くて長い、という、そのスタンスが、太い、と、言ったほう…