2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.203

はしご酒(3軒目) その三十二 「ココロアル オトナ ハ ケツダンシキレナイ」 たとえば、政治を司るシモジモじゃないエライ人たち、地球規模で、「強気の決断力」賛美の花盛りである。 右か左か、上か下か、ソッチかコッチか、迅速に白黒つけることが、つけること…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.202

はしご酒(3軒目) その三十一 「テン カラノ サズカリモノ」② その大切なモノ、コト、ココロ、とは、正しいと思って取り組んだことがもたらした負の産物や遺物に、しっかりと目を向けなければいけない、そのココロをもたなければいけない、というコトである。…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.201

はしご酒(3軒目) その三十 「テン カラノ サズカリモノ」① 私の、ほとんど独り言のような「魂が宿る商品が人だから、尚更のことシッカリと考えなければ」理論を、静かに聞いていた(と思う)Zさんが、「美しい雫は、天からの授かりもの、大切にしないと、スッと目…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.200

はしご酒(3軒目) その二十九 「ショウヒンダマシイ ノ ヒアイ」② 過剰在庫として倉庫に眠る売れ残り商品たちは、環境改善に向けて、当然の如く、真っ当な要求をし始めるだろうし、激安スーパーで、想像を絶するような叩き売り価格で店頭に並ばされ、プライド…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.199

はしご酒(3軒目) その二十八 「ショウヒンダマシイ ノ ヒアイ」① ときどき、こんなことを思う。 着物も、草履も、蜜も、グラッパも、この焼き栗も、やれウマイだの、やれキレイだの、やれマズイだの、やれイマヒトツだの、と、上から目線でエラそうに、スキな…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.198

はしご酒(3軒目) その二十七 「ハシリ!」② そのわからなさを全身から放出していた私に、さらにZさんは、「着物の世界は走りの世界、ちょっと先取りのおしゃれが、粋、なのよね~」、と続ける。 「ハシリ?、イキ?」 「そう、走り、が、粋。着物と季節感は、切っ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.197

はしご酒(3軒目) その二十六 「ハシリ!」① 「旬は、まだまだ先ですが」 スッと目の前に出された、その見た目も香りも、秋を小さく丸めたような焼き栗に、おもわず「おっ」、と、声をあげてしまった。まさか、ここで、しかも、この時期に、(よく見かける甘栗では…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.196

はしご酒(3軒目) その二十五 「ミツ ト ツキ」② そんなこの国の美しい雫なコトバの一つに、このところ、新聞紙上などで、よく見かける「蜜月(ミツゲツ)」がある。 このコトバには、それほどの歴史はなく、新参者と言えなくもないけれど、それでも、味覚の「蜜」と…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.195

はしご酒(3軒目) その二十四 「ミツ ト ツキ」① Zさんの口からこぼれた、文化やら芸術やら風土やらのそこかしこに生まれた素晴らしく輝くものに対しての「美しい雫」、というコトバもまた、それ自身、とても美しいコトバだと思う。このコトバのように、この国…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.194

はしご酒(3軒目) その二十三 「アリ ト キリギリス」② この『アリとキリギリス』、現代社会がもつ病巣の縮図のように見えなくもない。その縮図の中に、イヤイヤながらもお邪魔させてもらったような、そんな、なんとも言えない肌触りだ。その肌触りは、若い頃…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.193

はしご酒(3軒目) その二十二 「アリ ト キリギリス」① 「唐突ですけど、アリとキリギリス、という絵本、ご存知ですか?」 「あ~、大好きな音楽に、かまけて、明け暮れて、大変なことになってしまったギリギリスさんのお話でしょ」 「そう、そうなんです。だいたい…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.192

はしご酒(3軒目) その二十一 「コテサキ ノ カネモウケ ノ コウザイ」② 個人のレベルでも、組織のレベルでも、国のレベルでも、多くの弱者の犠牲の上に成り立つ安易な小手先の金儲けに、ついつい走ってしまいがちだが、いま一度、その功罪を見つめ直してみる…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.191

はしご酒(3軒目) その二十 「コテサキ ノ カネモウケ ノ コウザイ」① そして、実はもう一つ、気になっていることがある。 凄まじい技術と労力と時間をかけて織り上げられた反物(タンモノ)が高く評価され、仮に高額な値が付いたとして、はたして、その職人に、…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.190

はしご酒(3軒目) その十九 「キモノカースト ノ ユウウツ」② その一部分とは。 脈々と続く着物ワールドの、格差問題、もしくは、差別性。つまり、「キモノカースト」(と、人知れず、勝手に、私はそう呼んでいる)の、コトである。 そう、キモノ、カースト。 この…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.189

はしご酒(3軒目) その十八 「キモノカースト ノ ユウウツ」① 寡黙なバーテンダーお薦めの国産グラッパを、ほんの少し舐めるように口に含む。グラッパなど滅多に呑むことはないのだけれど、葡萄の皮と種から生まれたものとは到底思えないほどのクオリティの高…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.188

はしご酒(3軒目) その十七 「トドメノ オビドメ ハ コイキナ ショウウチュウ」② と、いうことで、Zさん、(残念ながら、今宵は、帯留めを身に付けておられなかったのだけれど)落ち着いた色合いの和モダンな布製のバッグから小さな陶器製のブローチのようなも…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.187

はしご酒(3軒目) その十六 「トドメノ オビドメ ハ コイキナ ショウウチュウ」① 「もう一つ、忘れてほしくないものがあるの」、と、さらに調子付いてきたZさん。 そのもう一つとは、私が、人生において、気に留めたことも、話題にしたことも、一切合切ない、「…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.186

はしご酒(3軒目) その十五 「オビジメ ファースト」 そんな魅惑の「美しい雫」コレクションの中から、地味ながらも通好みな、着物関連部門の筆頭格と言っても過言ではない「帯締め」に注目したい。 もちろん、Zさん、そんな帯締めを軽んじるはずもなく、「一番最…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.185

はしご酒(3軒目) その十四 「ウツクシイ シズク」 Zさん、泡盛ベースのカクテルを注文したかと思うと、おもむろに、ユルリとコチラに顔を向け、「美しい雫(シズク)、という言葉が、ず~っと忘れられないままなのよね~」、と。 もちろん、なんのことやら、サッ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.184

はしご酒(3軒目) その十三 「アシモト ニハ オヨバナイ」② そして、Zさんの今宵の草履。 右足を軽く手前に引き、踵(カカト)をウッスラ浮かすポージング。おかげで草履の全体像が見えやすい。 ザラッとした粗めの淡い茶系の色味が、レトロな刺繍が施されたオ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.183

はしご酒(3軒目) その十二 「アシモト ニハ オヨバナイ」① 身近な着物繋がりの一つに「草履(ゾウリ)」がある。 この草履もまた、もちろん奥が深い、に、違いないなどと思いつつ、できる限りさりげなく、Zさんの足元に目をやる。 以前、商業カメラマンである友…