はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百
慎重の上にも慎重を、緻密の上にも緻密を、公明正大の上にも公明正大を、期す。ぐらいでないと、ほとんどの開発にへばり付くダークなモロモロを払拭することなど、到底できるわけがない。と、Aくん。またまたオープニングからカッカと熱い。
なるほど、開発なんてものは、ソレほど利権やら金(カネ)やらが渦巻く世界だということなのだろう。
「僕は、そうした利権やら金やらが絡みに絡むのは、むしろ再開発の方だと思っている。とくに大都会の再開発は、その裏側を知るのが恐くなるほど深い闇を抱えているように思えてならないんだよな~」
「だからこそ、公明正大の上にも公明正大を期す、ぐらいでないとダメなのに、どうしてもその裏側から手を伸ばし、権力に擦り寄り、権力とズブズブになりがちだ、ということですね」
「そう、そういうこと。先ほども、あの頃を思い出しつつ恨みたっぷりに愚痴らせてもらったけれど、比較にならないぐらい小さな規模の学校みたいな現場でも、お金に絡むことはメチャクチャ細かくて、まずはとにかく、予算立てした計画通りに実施していかないといけなかったりする。でもね、とくに支援学校なんかでは、子どもたちの実態に合わせて臨機応変に授業内容をマイナーチェンジしながら展開していかなきゃならないはずなんだ。にもかかわらず、ソレを可能にする『融通』というモノには程遠いんだよな~」
再開発の話題が、再び、先ほどの「癒着と融通」に引き戻されてしまったけれど、当時のAくんの気苦労だけは、イヤというほどコチラまで伝わってはくる。
「だけど、致し方ないとも思っている」
えっ!?
「それは、そのお金が血税だから」
あ~。
そうだとは思うが、でもやっぱりジャマ臭そうだ。
「たしかに融通は利かないし、ジャマ臭かったりするわけだけれど、でも、厳しすぎるぐらいが丁度いいのかもしれない」
厳しすぎるぐらいが丁度いい、か~。
「とにかく、コレだけは言っておきたい。再開発が『臭い開発』にならないように」
く、くさい、臭い開発?
「モラルの腐敗に繋がらないように、再開発のその周辺が、そうした腐敗の悪臭で満ち満ちてしまわないように、慎重の上にも慎重を、緻密の上にも緻密を、公明正大の上にも公明正大を、ナニがナンでも期さなければダメだということだ」
(つづく)